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    巨大な建造物に感激

ピラミッド  今年4月、世界の遺跡や建物105点がミニチュア(25分の1縮尺)で再現されているテーマパーク「東武ワールドスクウェア」(栃木県・鬼怒川温泉)を見学した。この時、エジプトの美しい遺跡や建物に大きな感動を受けた。中でも巨大な三大ピラミッドのスケールの大きさにすっかり魅了された。日増しにどうしても本物を見学したいという思いから今年6月、「ピラミッド遺跡探索の旅」に参加することになった。

 エジプトはアフリカ大陸北東のナイル川沿岸にあり、紀元前4500年ごろ、エジプト文明が生まれたといわれている。首都カイロから南西5キロのギザにメンカウラー王、カフラー王、クフ王の三大ピラミッドがそびえ立つ。中でもクフ王のピラミッドは規模が最大で、高さが137メートルもある。この建造には平均2.5トンの石灰岩が250万個使用されているという。青空の中に立つ実物のピラミッドを見ると、その巨大さにあらためて感動した。

スヒィンクス像 こんな巨石を紀元前2500年の時代にどうやって積み上げることができたのか。その謎の部分に大いに興味がそそられた。ピラミッドは盗掘穴から内部を見学できるようになっている。穴の高さが狭いため身体を屈めながら進む。傾斜のきつい石段の上り下りで、汗びっしょりになった。

 穴の一番奥には「王の間」があった。ふたがない大きな石棺が置かれていたが、この中には王のミイラと豪華な副葬品が納められていたとみられている。しかし、いずれも盗掘で持ち去られ、現在まで発見されていないという。偉大な世界遺産を実際に観光することができて、忘れられない思い出深い旅となった。

    厳戒態勢の観光施設

厳戒態勢の観光施設 今回、エジプト・トルコ両国を観光してきたが、観光地の警備は、どこも厳重だった。博物館入館の際は、空港並みの荷物検査が行われた。屋外には目の届く範囲内に拳銃携帯の警察官が配置されていた。自動小銃を構えて物々しい警備態勢を敷く警察官も目立つ。エジプトでは近年、外国人を標的とした爆弾テロ事件が多発したため、警備を強化しているようだが、少し過剰警備気味とも見受けられた。これでは観光客、テロ集団双方に刺激を与え過ぎの感がした。

 我が国はテロ事件以来、エジプト、トルコ両国の渡航について注意喚起の危険情報を出しているが、それでもどこの観光地でも多くの日本人に出くわした。観光収入が大きな財源である両国として、観光客の減少は痛手である。過剰警備気味と見られても、国として観光客の身辺保護に万全な態勢を取っている姿勢を示すことで、観光客誘致に力を入れている国の熱意を伝えたいという願いがあるようだ。
                                        (記事、写真とも 香村 義隆)
写真特集 「遺跡探索の旅」